先月の成人の日、箱根に泊まりに行きました。

身内ですから、もちろん実家に泊まれば良いのではありますが、あいにく実家は布団を入れ換えるタイミングであったり、エアコンが故障していたりと、とても泊まれる状況ではありませんでした。

そこで自分たちで宿泊先を見つけてもらうことに。
箱根生まれの箱根育ちが、こうして宿泊するというのも変な感じがしますが、外から見るお客さんとして、客観的に箱根を観察するいい機会になります。

そんなこんなで奥さんに選んでもらったホテルが、箱根パレスホテル。
仙石原のススキの原を少し登ったところに位置し、芦ノ湖にもほど近い老舗ホテル。

箱根パレスホテルは、もともと箱根観光ホテルという名前だったそうですが、その元の箱根観光ホテルは、80あまりの有数な企業が、外国の方をおもてなしできるくらいのホテルを箱根にも作ろうと言うことで、昭和38年に建造されたそうです。

その甲斐あってか、“もはや戦後ではない”と宣言した池田勇人首相の時には、アメリカとの通商会議の会場になったり、また、昭和天皇もお泊まりになったことがあるという、由緒ある歴史をもつまでとなりました。

昭和38年の開業以来、何度もリニューアルしてきたようですが、ところどころに、どこか懐かしさを感じる、レトロモダンの趣があります。

私たちはこういうレトロモダンが好きなので、フロントに入った途端、「いい感じのホテルだなぁ!」と感想を言い合いました。

箱根パレスホテル

箱根パレスホテル

箱根パレスホテル

しかし残念ながら、こちらの箱根パレスホテルは、身内が泊まった翌日に閉館となりました。

日本の高度経済成長から箱根の地に建ち、どれだけの人を迎え、どれだけの人を喜ばせたのでしょうか。
通商会議をし、昭和天皇もお泊まりになり、歴史の一幕にも登場したホテルが、また一つなくなるのは残念なことです。
誰か、この良さがわかる方が再開してくれたらいいのですけどね・・・。

私たちは、この箱根パレスホテルが閉館することは全く知らずに、たまたま予約しました。
もし閉館することが分っているならば、もっと前にも泊まっておくべきだったなぁと思いました。
こういった老舗ホテルの食事は、伝統があっておいしいですものね。

ちなみに、ここの温泉は大涌谷から供給されている温泉だったようです。
おそらく数年前の大涌谷の件で、このパレスホテルの温泉も一時は途絶えたのでしょう。
そしてそのことが、ホテルの継続に影を落としたのではないかと推測されます。

パレスホテルの温泉につかりましたら、その夜は、いや、朝までかなり身体がぽかぽかに温まっていました。

箱根に産まれ、箱根で育ち、箱根各地の温泉に入ってきましたが、これまでにない強力な温かさを感じました。
大涌谷の件では箱根全山が危機的な状況となりましたが、その苦難を乗り越えて、大涌谷経由の温泉はパワーアップしてそうですね。

パレスホテルの閉館はとても残念なことであります。
小さなブログではありますが、ここで「はこねのおはなし」として遺しておきたいと思います。

ありがとうございます、パレスホテル様。
従業員の方も、とても丁寧に、とても気持ちよく応対していただきました。
ありがとうございます。