お正月の風物詩、餅

年賀状の受付が始まったり、今年の流行語大賞の話題が出てくると、早いもので今年もそろそろ終わりかと実感が沸いてきます。
今年はさらに平成もあとわずかということになりますので、感慨もひとしおな締めくくりと感じている方も多いのではないでしょうか。

そういったなかお正月が近づいておりますが、お正月に食べるものとして思い浮かべるものにお餅があります。
私は和菓子屋に産まれ育ったので、いつでもお餅を食べることができる環境にありましたが、それでもお餅を作るのはそうしょっちゅうあるわけではなく、特別なお祝いごとを依頼されたときに限られまして、中でも特別な日がお正月。どんな状況にある人でも、年が改まるということはどこか特別な気持ちになるものです。

力餅

お餅が入ったうどんのことを力うどんと称します。
子供心に力うどんを食べると文字通り力が湧いてくるのではないかと感じたものです。

お餅というのはもっちりと粘りがありますし、腹持ちもしますので、そういった感覚からお餅を食べると力が出るという感覚を得ていたのかもしれません。

また、お餅屋さんの前を通ると、特に私は関西に行ったときに目に付くと感じているのですが、“力餅”という看板を目にすることがあります。店名が力餅であることもあって、私はこれを見たときに、うまいこと命名するなぁと感心したものですが、“力餅”という名前はどこかの誰かのオリジナルの言葉ではなく、かなり昔から使われていたもののようなのです。この“力餅”という名称の餅は、今は廃れてしまっているところもあるでしょうが、かつては日本全国各地にあったようです。

柳田國男の説

日本民俗学の祖である柳田國男は、「餅は心臓を模したもの」という説を唱えています。

様々な角度から柳田なりに検証した結果の説だと思いますが、一つにはその形。
お餅の形を心臓に見立てたのではないかということです。
鏡餅などは上と下に分かれますが、そう言われてみれば右心房と左心房に見えなくもありません。

そしてそれよりも重要であろうことは、地域社会の共同体としてみなで餅をつく、そして付いたものを成型し、最後はみんなで共同体を象徴する食べ方で食べていく。

民俗学では、食事を共有するということは、文化を共有すること、そして地域という小さなムラ社会を結束するというはたらきがあるといいます。
お正月などのお祝いごとをするハレの日に食べる特別なもの、餅は、きっと地域を束ねるという象徴も兼ねていたのかもしれません。

孫三総本家のお餅

創業以来、この年末の餅づくりは会社総出となります

わたしたち孫三総本家にとっては、とても大きなイベントで、家族や社員、職人さんがまとまるひとつのきっかけでもあります。一年の感謝と、来年の一年のご多幸を願い、一丸となってお餅づくりをいたします。

箱根の名水、嬰寿の命水を使って作る孫三総本家のお餅は毎年好評を得ております。

近隣の旅館やホテルなどでも、「やはり正月は孫三のお餅でないとね!」といわれることもあります。

ぜひこのお正月というハレの時期に、孫三総本家のお餅を味わっていただけたらと思います。

* お餅のご注文も受け付けておりますので、お気軽にお電話でご相談下さい。

 

孫三総本家・花詩本店

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