本店に飾られている額
包装紙と切手を並べて
本店には生菓子を並べたショーケースがありますが、その壁にいくつかの額を飾っております。
その一つがこちらです。
箱根のお土産として喜ばれております当店の温泉餅の包装紙と、とある女性の切手であります。
その切手を拡大しますと、こんな女性像があります。
この方は、中村汀女氏と申します、日本を代表する俳人です。
中村汀女氏は、星野立子、橋本多佳子、三橋鷹女と並んで4Tと呼ばれ、昭和に活躍した女流俳人です。
温泉餅の包装紙に
では、どうして温泉餅の包装紙と中村汀女氏の切手を並べて額に納めたのかと申しますと、それにはこんなご縁がございます。
まず、包装紙を拡大いたします。
この包装紙の右端をご覧下さい。
ここに印刷されている俳句こそが、中村汀女氏によるものであります。
中村汀女氏と箱根のご縁
箱根での句会
箱根の芦之湯にあります老舗旅館、きのくにや。
中村汀女氏は、このきのくにやを度々訪れては、句会をなさっていたそうです。
中村汀女さんときのくにやの女将であった多摩子さんとは俳句の仲間だったそうです。
その時に詠まれた句が、この包装紙に印刷されている俳句であります。
この額の真横に、その直筆のものを飾らせていただいておりますが、そちらがこれになります。
そしてもう一つ、実物はございませんが、温泉餅のことを詠んでいただいた句がこちら。
双子山 温泉餅に 霧 迫る
もう10日も過ぎると時代は平成から令和になります。
それにつれて昭和も遠くになりつつあります。
時代は流れていきますが、俳句という文学はいつまでも新鮮な息吹を感じますね。
歴史のいちページの中で、このような俳句を詠んでいただけたのはたいへん光栄に思います。
この記事へのコメントはありません。